専攻長あいさつ
物質・システムと生体との相互作用を解明・制御し、
未来型医療システムの創成を目指します。
東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻では、生命科学と工学を融合し、未来の医療システムや産業の創成を目指した研究と教育を行っています。
バイオエンジニアリング専攻が設立された2006年(平成18年)は、日本の65歳以上の人口率が世界最高に、15歳以下の人口率が世界最低になった年であり、メタボリックシンドロームが流行語のトップ10入りした年でした。超高齢化少子化と未病、健康寿命の延伸という社会要請を背景に、直面する喫緊の課題に対応すべく時代の要請により本専攻は誕生しました。
学部までは自らのディシプリン(専門分野)において各々の工学分野の基礎を学び、その上にバイオメディカル分野を含む広い視点でバイオと工学とのつながりをとらえ、その学理の構築を目指す専攻としてバイオエンジニアリングが果たす役割は極めて大きいといえます。
化学・生命、マテリアルといった化学領域と、機械、電気等の物理領域からなるディシプリンの縦軸と、デバイス、イメージングといった工学技術の横軸とを併せ学び習得することのできる専攻であり、バイオという重要な役割を担い、工学系研究科の医工連携の要として、その存在意義を有しています。
特に医の分かる工学者として、医工学に軸足をおき、人体と物質・システムの相互作用の視点に立脚した教育プログラムを実践しています。 これらの教育活動を通じて世界最先端医療システムの創出を持続的に牽引できる医工学専門家を輩出し、社会に貢献します。さらに医工学に密接した分野に限定されず、バイオと工学に関連したより基礎的、原理的な学理、基礎科学を追求することのできる専攻です。
専攻設立20周年を迎える2026年への橋渡しとして飛躍の年となるよう、是非我々と共に次の世代を創っていきましょう。
専攻長田畑 仁
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